2015.09.07
EHON LABO.「どうぶつたちを『はなす、きく、かく』」
本日初回のEHON LABO.(みちのおくつくつるラボ)では、ミロコマチコさんとの大きな絵本づくりにむけて、宮本講師と準備を開始しました。
絵本づくりで題材となるどうぶつたちは、クマ、うさぎ、コウモリ、カモシカ、ヘビ、とりたちの6種類。初回のラボでは、まず受講生それぞれが、これらの動物にまつわる自身の体験談を発表しました。
コウモリを捕まえようと、夜の公園で物干し竿を振り回していた子どものころの思い出。木の下で弱っていた小鳥を家に連れ帰り、介抱した話。ヘビを見つけてどきりとした体験談。後ろから走ってきたカモシカに追い抜かされた、という山形市ならではの珍しい話も出てきました。
野生の動物たちと直に接した体験のみならず、動物の気配や痕跡もまた、鮮烈に記憶に残るようです。それは時に、暗闇の中で光る目であったり、夜道に現れた大きな影であったりします。
お互いの体験談を語りながら、ひとりひとりの記憶や体験の中にある「驚き」を伝えるには、その光景をはっきりとイメージできるような言葉の描写や、その時の気持ちに共感できるような語り方が大切だと気付きました。受け取った話をさらに誰かに伝えることを考えながら聞くことも、体験談を集めるコツとなりそうです。
続いて、聞き書きからの文章作成の参考になるようにと、受講生が持ち寄った野生動物にまつわる文学作品を紹介しあいました。登山家や自然観察者のルポタージュ、動物が登場する小説や絵本、地域の民話や伝承集などさまざまな本が並びました。異なる観点からの多様な語り口に、多くのヒントがつまっています。
ラボの最後には、受講生が2人1組になり、お互いの野生動物にまつわる体験談を話す・聞く・書く作業を進めました。
次回のラボまでに、各自で野生動物にまつわるエピソードを聞き書きします。どんな話が集まるか、楽しみです!
(東北芸術工科大学大学院修士課程 是恒)