どうぶつにまつわるエピソードを聞かせてください ミロコマチコより

どうぶつにまつわるエピソードを聞かせてください ミロコマチコより

お知らせ

EHON LABO.#2 「オドロキを伝える聞き方・書き方」

2回目のEHOB LABO.では、藝術学舎を飛び出し、八森集落に住む猟師さんたち、山形市のアウトドアショップのオーナーさん、大学の裏手で養鶏と有機農業を営む農家さんにお会いし、どうぶつたちにまつわるお話をうかがいました。

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本日のラボの最初には、初回のラボから2週間の間にラボ生のみなさんが集めてきた、どうぶつにまつわるエピソードを読みました。続いての話し合いで、知人から聞いた話や自分自身の体験談をきちんと言葉にしているつもりでも、細かな説明や話の要点を書くだけでは伝わらないことがある、と気付きました。

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EHON LABO.では、どうぶつにまつわるエピソードを集め、そのエピソードを元に、ミロコマチコさんに絵本を書いていただきます。ミロコさんの仕事を想像しながら、ひとりひとりの頭の中にも一枚の絵のような情景が浮かぶ話の書き方・物語のまとめ方について考えました。
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普段の暮らしの中で、野生動物と出会うことが特別なことであるほど、私たちの驚きは大きいのでしょう。そして、ひとりひとりの驚きは、そこにある日常の風景を通して伝えた時にこそ、くっきりと伝わるのかもしれません。茂みの中の物音に、「なんだろう?」とドキドキした気持ち。森に帰っていくカモシカを見て、「良かったね」とほっとする気持ち。子どもだったから感じられたワクワクや怖さ、大人になってからしんみりと感動できることがあります。その瞬間の、森の中のひとりの子どもや山を歩く大人と同じ気持ちになれるよう、物語をかたちづくるには、その日の天気、季節を感じさせる風や空の色、その時していた遊びや仕事の描写、瞬間ごとの気持ちの移り変わりを聞き出し、書き出していくことが大切なようです。誰かの話を聞く最中も、話し手とのやりとりの中で、そういった細かな情景のかけらを聞き出していくこと、そして話を聞きながら、自分の中で物語を形作り、書き手として欠かせない要素を拾っていくことを心に留めて、取材を進めます。

言葉選びの大切さにも気付きました。ヘビの形やクマの大きさを、見慣れた何かに例えてみること、カモシカに見た神聖さ、ヘビに感じた妖しさを言葉にすることにもヒントがありそうです。

本日おこなった猟師さん・アウトドアショップオーナーさん・農家さんへの取材では、クマの毛皮にまつわる言い伝え、駆除されたどうぶつの行き先、カモシカの昔の呼び名、山形でのウサギやカモシカの増減の話など、野生動物と身近に関わって来られた方々ならではのエピソードがたくさん集まりました。

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今日得たばかりの新鮮な驚きや発見が生き生きと伝わるよう、これから各自で文章にしていきます。

EHON LABO.ではミロコマチコさんとの絵本づくりに向けて、みなさまから6種類の野生動物のエピソードを募集しています。詳しくは、以下の特設サイトをご覧ください:
http://mirocomachiko.tuad.ac.jp

(東北芸術工科大学大学院修士課程 是恒)